第7章
マイナス成長時代
前回の審査で散々な目に会い・・・しばらく審査も試合もなく・・・
なんともいえない気持ちで練習に取り組んでいた冬の延長のような時代だった・・・
ただ一年生は国体の予選会があったため・・・だろうか・・・
やや緊張した面持ちで練習に臨む者も多く見られた・・・
そしてあの若かりし頃を思い出した・・・
「嗚呼・・・あの頃が懐かしいなあ・・・」
一心不乱に練習に打ち込んでいたあの頃が・・・」
しかしながらその頃も目的を持って練習していたのである・・・
時は流れ国体予選がやってきた・・・当日の役目は仕事のみ・・・
仲間たちといろいろ語りながら後輩を応援したりした・・・
そして・・・学年末テストがやってきた・・・ここで自主練の流れに入った・・・
このときは適度に部活をやり・・・又適度に勉強していた・・・
入試をはさんで道場にいけなかったときがあったがいける日はよくいき・・・
時には珍しく顧問に教えてもらうこともあった・・・
そして・・・春休みがやってきた・・・審査の申し込みがやってきた・・・
多くの練習試合がくまれ・・・よく遠征に出た・・・
しかし自分自身立をやることに疑問を感じさえいて・・・
そのたびに自分自身に苦しんだ・・・しかし・・・しかし・・・そして・・・
数々の苦しみを乗り越え・・・年度が変わり最後の練習試合がやってきた・・・
これが極め付けだった・・・
パーン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人生の終わりを感じた・・・自分を見失った・・・
このときから更にマイナス成長が加速し・・・精神的にも大きな痛手を負った・・・
そして・・・僕は今までつみ上げてきた捨てることのできない過去を・・・見失った・・・
「嗚呼・・・おれはこのままおわってしまうのだろうか・・・・」
何かさびしい憐憫の情をかんじた・・・老いたものだ・・・
そして・・・審査の一週間前になり・・・流石にあせりを感じ始めた・・・
時には練習後の道場に居残り特訓をしたり・・・努力を重ねた・・・
当日・・・誕生日で・・・おみくじは最高の大吉が出て・・・
はるばる県西部までやってきたのだった・・・
「・・・ここで・・・
最期の審査が行われる・・・」
このことは自分以外の誰も知ることはなかったが・・・
もうここに申し込んだ時点で決まっていたことだったのだ・・・
その日の風はきわめて強く多くのものの矢が風に流されていた・・・
今までの中で明らかに最悪のコンディションだった・・・
しかしここで勝負するしかないと感じた・・・
自らの精神力を高め・・・・集中して・・・いよいよ入場となった・・・
あまりにも寒く・・・風の強さで・・・手で支えた弓矢と全身が震え・・・
風で審査員席まで飛ばされそうだった・・・
この日は大前でよく審査員の表情が見えた・・・
打ち起しの前に何か注意されたようだった・・・
とにかく打ち起こす・・・やはり苦しい目通り・・・たまらず離してしまう・・・
待っている間も弓は震え・・・強風のために弦音は聞こえない・・・
またまた何か早く打ち起こせ・・・とか言われたようだった・・・・
「うるさい、いまやってるだろ!」
そういいたかったが抑えとにかく打ち起こす・・・
先ほどよりも口割が高いが・・・会は保った・・・がしかし・・・風は強い・・・
甲矢は対照的に下に流れた・・・激しい風が身にしみた・・・
「ふっ・・・これで全てが終わりか・・・」
結果は予想通り・・・しかし落ち込むこともなく帰っていった・・・
帰りの電車代が恨めしいほど高かった・・・甲子園の土張りにうなぎパイを買った・・・
帰りの電車の中で友人と話し合う・・・次について・・・
このときは多少なりともうけようという気を起こされた・・・・
猶予期間はわずか5日・・・だが・・・もう決まっていたのだ・・・
「このまま行ってももはやどうしようもない」
と・・・いうわけではなく・・・ある理由で・・・
決して誰にも
明かすことのできない・・・
またいまだあかしていない・・・
深い理由を・・・

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