第8章
老兵時代
やはり審査用紙は期限の4/26になっても出されなかった・・・
そしてなんともいえない複雑な気持ちで道場を後に帰路を急ぐ・・・
そして家でそのなんとも言い表せない気持ちのままくつろいでいたそのとき・・・
ラソ#ラーソファミレド#ーレー
と携帯がトッカータ小フーガニ単調を奏でた・・・仕方なく受話器を取る・・・
「はい、もしもし・・・」
「いまちょっといい?」
「いいですよ・・・」
この時点で・・・いや・・・むしろこの音楽が流れた時点で・・・
何がどうなるかを瞬く間に悟ったのだった・・・
「審査用紙だしてないけど・・・いいの?」
「はい」
「本当に受けないの?」
「はい・・・よく考えたんですけど・・・」
とまあこんな感じにしばらく会話が続いた・・・
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「○○日の練習の帰りに持ってくからよく考えて」
「はい・・・(いいえと答えたかった)」
「家で休んでいたところを悪いな」
「いえ・・・別にいいです・・・」
「それじゃおやすみなさい」
「おやすみなさい・・・」
ガチャッ
奴はロード・オブ・ザ・リングの如く追ってきた・・・
そして・・・ついにその日がきた・・・
練習が終わり部室でのほほんと休んでいるときにそれは起こった・・・
「すまだ先輩・・・先生が呼んでます」
「ああ・・・わかった・・・」

ついにこのときが来た・・・仕方なく彼の待つ道場へ足を向ける・・・
「どうする?受けるか?」
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沈黙の時がしばらく空間を支配する・・・
「いえ・・・やっぱりうけません・・・」
「受けなかったら絶対受からないよ?」
「はい・・・わかってます・・・」
「ほんとうにいいの?」
「よくかんがえたんですけど・・・」
「わかった・・・四月に入って調子がすごく悪くなったけど・・・
じゃあ個人戦一本に絞ってがんばれ」
「はい・・・」
会話は終わった・・・そして時は皐月三日・・・
ついに個人戦の日がやってきた・・・ここで最期の戦いが繰り広げられた・・・
場所は中央体育館・・・天候・・・風向き共によし・・・
ただ日が強すぎて開会式のときに倒れそうになってしまった・・・
狭い会場の中で待つこと一時間・・・一立目が始まる・・・緊張度は30%・・・
今までの試合の中では比較的低かったはずである・・・
一本目・・・口割が降りず真下・・・まあ最初はこんなもんか・・・
二本目・・・ちょっと下に筈をつける・・・逆に裏目に出て真上・・・
三本目・・・やたら肩が固くやばい・・・とりあえず矢筋に離す・・・なぜか的中・・・
四本目・・・これをいれねばというプレッシャーにより力む・・・無辺世界へ消えた・・・
「頑張れ」と講評をされる・・・いつものことだ・・・
五本目・・・すでに後がなかったが・・・真下へ・・・死亡・・・
六本目・・・思いっきりずったが「射」と声が響く・・・気にしない・・・
七本目・・・おそらく上だ・・・ラスト・・・無辺世界・・・
終わった・・・すべてが・・・この二年間が・・・長き・・・長き・・・
全てが終わった・・・あまりにも儚すぎる結果だ・・・
人の夢と書いて儚い(はかない)・・・
同じ心持の友人と共に道場を去る・・・彼らを慰めつつも・・・
あくまで自分の感情は表に出さない・・・あくまでもクールを装う・・・
罠師はちゃっかり8位入賞!!
個人戦は終わったが・・・団体戦のサポートが残る・・・
っと・・・ここで入賞記念ということで特大パフェを食べに行く・・・
あまりにも巨大すぎてその日の夕飯と次の日の朝食が入らなかった・・・
特に引退は意識しなかった・・・とにかく監督(公認)としての役目を果たすのみ・・・
二日後の団体戦当日・・・いきなり立ち上がりが悪い・・・見ててハラハラした・・・
しかし・・・後半何とか盛り返した・・・結果羽分け+3・・・
講評は以外に好評だった・・・つまらないですね・・・すいません・・・
しかし・・・次がまずかった・・・まさに竜頭蛇尾!!・・・
罠師の調子が冴えなかったが罠撤廃委員会の調子はよかった・・・
が・・・先ほどと同的中だったが顧問の逆鱗に触れた・・・
ここで触れてはいなかったが・・・が・・・が・・・非常に残念だった・・・
全員が全員調子が極めて悪かったのだろう・・・無念・・・
ここで同じ心持の友人と共に駐輪場の外へ呼び出された・・・
このときもすでに自分は悟っていた・・・
「これで中部地区大会は終わったけど・・・どうする?」
「残ります!!」
確かに俺はこう言い放ったはずだ・・・しかし・・・
「そうか残らないのか・・・」
・・と・・・なぜか正反対の解釈をされる・・・
結局勘違いだったらしく・・・おれたちは最期まで団体と運命を共にすることになった・・・
結局この日は入賞しただけだった・・・内容は非常に悪い・・・
こうして・・・時は流れ・・・本来受けるべき審査の日がやってきた・・・
友人の応援に駆けつけるため練習が終わるや否や道場を飛び出す・・・が・・・
長話のため間に合う確率が0に等しいことが発覚・・・
予定を変更し飯を買って参考書を探してから会場へ向かう・・・
ついた頃には当然終わっていたが・・・応援にはなっただろう・・・
後から来た女子の応援の人たちは差し入れを持ってきてくれておすそ分けしてもらった・・・
ひんやりとした・・・おいしいシュークリームだった・・・
結果・・・それぞれの思いを胸に抱きながらこの会場を後にする・・・
この日から団体メンバーの調子が徐々に悪化し始めたのであった・・・
この一週間・・・まさに悪夢だった・・・
メンバーの調子がそろわず・・・日々顧問の怒りはつのるばかりだった・・・
その被害は安全圏だと思われていた女子にまで手が及んだ・・・
そして・・・明日を団体戦を控え・・・監督として彼らともに宿泊する・・・
10人のりの車で向かうが思ったより快適だった・・・
途中うなぎ屋によりうな丼を注文した・・・実はうなぎは・・・
俺と顧問以外はみんな大盛りを注文・・・時間がないからはやく食べろとのことだった・・・
が・・・結果一番遅かったのは自分だった・・・しかもダントツで・・・・
どいつもこいつもどうしてこんなに食べるのがはやいんだ?人間か?
こんなこともあって偉大なるホテルに泊まる・・・
まあ見た感じ偉大といっても過言ではなかった・・・
去年から恒例の行事をして・・・いろいろ遊ぶ・・・
これでいいのか?という行動も中には見られた・・・(特に罠師)・・・
ひそかにもらった数学の模試をやったが制限時間の3/4でとききってしまった・・・
確率が入ってきたりして難しいのも中にはあったが所詮ただの模試・・・
ふつうに200/200だと感じた・・・マーク式だったが・・・
就寝は平均して1:45だった・・・自分はそれくらい・・・
翌日の朝微妙に朝食に遅れて・・・かなり待った・・・
ようやくバイキング形式の朝食が始まったがみんな自分の倍以上の量だった・・・
自分はその量で満腹度120%になってやばかったがみんな普通だった・・・
食事になると必ず顧問の突っ込みが入る・・・今回は
「ヘルシーな食事だな・・・」だった・・・
あまりにもすくなかったのか・・・何ともいえない気分だ・・・
ちなみにその日の食事は
バターロール×2+イチゴジャム・・・コーンフレーク・・・フルーツポンチ・・・
かなり満足したメニューだったのだが¥1700には5倍しても届かないだろう・・・
そして・・・いよいよまちに待った決戦の地へ向かう・・・
日焼け止めを忘れたことに気づいたが・・・もう仕方なかった・・・
この日は三射場だったが一番後ろだったので比較的見やすかったと個人的には思う・・・
この日はみんなあまり振るわず・・・的中が思うようには出なかった・・・
まさかの事態となった・・・これはシナリオと外れている・・・
それぞれの思いが交錯する中で引退が決まった・・・
仲間たちと今日今までについて熱く語り合うものもいれば・・・
明日個人戦が残っているものに対しての励ましなど・・・

そして決勝トーナメントが始まったが・・・
誰もが予想だにしなかった事態が発生し・・・波乱のトーナメントとなった・・・
いっては何だが非常にレベルの低い争いをしているように思えた立も多く見られた・・・
閉会式で厳しい講評の言葉をいただき・・・県大会は幕を閉じた・・・
そしていったん帰郷しこの日は終わった・・・