第3章 初冬時代

この部にはたいへん珍しい休みがやってきて・・・
年度始めの合宿に望んだ・・・やる気は十分だった・・・
流石に合宿というだけあり・・・多くの高校がおなじ目的で来ていた・・・
まずこの日の朝・・・不法侵入しようとして皮ジャンを破った・・・
昨日もらったばっかだったのに・・・この時点で運勢最悪だった・・・
そしてバスに乗る・・・TAXIがいないことに気づく・・・所詮風邪だな・・・
ここで更に悪いことが起こった・・・偶然か?計画的か?
バスの席が前から「二番目」だった・・・
これが意味することは大きい・・・果てしなく大きい・・・
この時はなつかしの
とともに座った・・・
黄色の車が何台くるかというような賭けをしていた・・・
結果俺の負けで窓側の席を譲る羽目になった・・・
行くこと数時間し・・・やっとついたのである・・・広大な富士のふもとに
つくやいなや部屋へ行き荷物を置くがシーツを取りに行くことになった・・・
理由はなんと
数学ができるから・・・どういう利由だ?よくわからん
そして仲間はその頃には準備に追われていたらしいから結果労働しなくてすんだ・・・
そして袴に着替え・・・開会式をおえ・・・いざうとうとする・・・
的数は28個・・・しかし並んでいる人は10人以上・・・しかも一人2本持っていた・・・
結果たいして本数を重ねることができずに非能率な練習となった・・・
しかし食事前になると一気に人数が減りだいぶ広くなったように感じた・・・
ここで射ていて射まくった・・・食事はあとにすることができた・・・
僕は好き嫌いが激しいためにこういう場所での食事はかなり制限された・・
食べ終わった後も仲間と分かれて練習をしに行く・・・これが分かれ目だった・・・
夜の練習で射ていたら弓構えがよくなったとほめられた・・・
他の仲間は・・・むしろ練習していた同じ学校の人間が独りだったからか・・・
他の仲間は俺の知らないところで怒られたみたいだ・・・確かに
”勉強してもいい”
といったはずなのに・・・やはり理不尽が過ぎていた・・・
二日目・・・待ちに待った所作指導があった・・・しかも場所が
ちょっとはなれた暖房器具のない柔剣道場だった・・・やってられない・・・
凍りつく寒さ・・・足を刺すような寒さ加えて長時間のきざ、正座・・・
ただただその冷気の監獄に絶えるしか道はなかった・・・
終わって昼食・・・時間をずらして射て午後に臨む・・・しかし・・・疲れていたので
体力を失い・・・実際三時から休んでいた気がする・・・
とりあえず本数をだいぶ抑えて練習した・・・
そして夕食を終え風呂に入る・・・前日と違い今度は時間が早い・・・
ところでその日の夕食はポテトがあった・・・ここでは珍しい俺の好物だった・・・
一度だけではくいたりず皿山ほど取っていたところ顧問に見つかる・・・
彼は驚きの表情で俺に話し掛けた・・・まあ体格から言って無理もない・・・・
これにより腹があまりにも満腹になって動きたくないほどの状態だった・・・
「何か悪いことがなければいいが・・・」というほどだった・・・
そして部屋に戻り道場に行こうとする・・・が・・・
大事件が発生した・・・まさに今年度最初にして最大?の不幸
ジャージを脱いで我が携帯電話を探す・・・??ないのか??
ここで学生服を探して見るが・・・やはりない・・・
「ケータイがねえー!!!」
来た道を引き返し地を這う思いで必死の捜索が始まる・・・
次に風呂場に戻り捜す・・・やはりない・・・うわー
このとき一緒に探してくれたのは
罠師2代目であった・・・
そしてやるせない気持ちで仕方なく道場に行き練習した・・・やる気は0・・・
そして・・・そして・・・先輩たちから話があった・・・
はっきり言って気が気でなかったのでほとんどきいていなかった・・・
唯一つ聞き取れた言葉があったのだが・・・それは・・・
落とし物とかするなよー」という言葉だった・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もっとはやくいってくれー!!
とにかく友人に電話をかけまくってもらう・・・すると・・
友人WINGがかけたところ相手がCATCH!!
しかし彼も突然の出来事にびっくりして受話器を切る・・・
次に友人
2458のところに着信が入る・・・しかも画面には俺の名前・・・
これはもう誰かが拾っていたづらをしているとしか考えられない・・・
そこで受話器を取らせてもらったところ・・・
「もしもし・・・あなたはJ.M君
ですか?・・・ああ本人ですか
おれが誰だかわかるか?
ええー!!●●先生って
いいましたよ〜
どうしますかね〜?
★○×☆◎▲□●■・・・
キタロー!!
★○×☆◎▲□●■・・・
ということなので
明日お返しします・・・」
??????
「あの声は顧問か?」

はっきり言って本当に顧問達なのか疑った・・・・もうだめだと思った・・・
その夜顧問が見回りに来る・・・そして・・・そして・・・
携帯を
何者かに奪われたことを訴える・・・
すると先ほどの人間は顧問らしかったことが判明
しかも飲み会の最中で・・・いろんな先生も混じっていたらしい・・・
なぜか彼らに翌日謝ることとなった・・・理不尽・・・
宇宙について深く語り合った初夜とは違い
みんな疲れていたのだろうか・・・はやく寝静まった・・・・
そして翌日・・・決戦はあっけなくぼろぼろに終わった・・・
絶対携帯のせいだ・・・
こんな風に唐突にして無念にその年の合宿は過ぎたのだった・・・・
そして新年射会で持ち的座礼をやったりもした・・・
チームメンバーのおかげで過去2回の校内大会は全て優勝していて
そのせいでやることになった・・・やはりそこには
罠師2代目がいた・・・
その日は今の
財務大臣が先輩をそっちのけで優勝!!末恐ろしい・・・
そして何日かたちJr.の団体メンバーが発表された・・・
下がり気味の調子だったがなんとかメンバーに入ることができた・・・
ここでは練習態度の悪さか当時猛威を振るっていた罠師2代目が外れた・・・
最初の立は全然中らなかった・・・ほとんど1/4だった・・・
しかし睦月後半にだんだんよくなってきて二日連続で皆中がでた・・・
決まってそういうときには別のたちで一中をだして結果五本に終わる
如月に入りまさかの絶不調!!かなり危機を感じた・・・
こうしてJr.当日を迎えた・・・この日の朝も練習した・・・
が、しかし当日
八射皆抜けという無残な結果を残してしまう・・・
しかもここでとうとうあいつがなぞに包まれていた神秘のベールを脱いだ・・・
罠師2代目!!
いきなり皆中を出し次に三中・・・競射で負けたが・・・
ここに来る時点でおれはもうやつに負けていた・・・おれの上をいった・・・
この絶望の状況の中審査がやってきた・・・このとき初段受審・・・
半分近くの人間が合格する中あっさりと大きくはずし普通に失格・・・
審査の後道場で練習するとかなり中ったが逆にそれが恨めしかった・・・
こんな風にしておれの儚い冬は幕を閉じたかに見えた・・・
しかし実際はまだまだずっと
「冬」は続くのである・・・

第3章 初冬時代 完

次章へ