仙台


広瀬川を渡て青葉区に入。

あやめふく日也。

コンビニをもとめて、

四、五分逗留す。

富谷に夫婦あり。

県境はいずくと聞て、

知る人になる。

この者、

年比さだからぬ名どころを考置侍ばとて、

一言案内す。

富谷の緑茂りあひて、

春の気色思ひやらるゝ。

玉田・よこ野、つゝじが岡は桜散ころ也。

日影ももらぬ松の林に入て、

爰を木の下と云とぞ。

昔もかく霧ふかければこそ、

「古川遠し」とはよみたれ。

大衡村・鳴瀬川などみて、

その朝は明けぬ。

猶、
帰省友人の所々文に書て送る。

且、

紺のジャムつけたるパン餞す。

さればこそ、

風流のしれもの、

古川に至りて其実を顕す。

白布を 尻に敷かんと チャリこげぬ



古川〜栗駒